俺とたばこのこと

 禁煙して随分経つけど、たまに無性にたばこを吸いたくなる。

 お酒を飲んだときであったり、ストレス発散のためだったりする。

 そういうときもあれば、漫画を読んでてたばこを吸うシーンを見ると、ああ美味しそうだなあなんて思う。最近では、「恋は雨上がりのように」の店長がファミレスのバックヤードの窓を開けて一服してるところなんて本当にたばこ吸いたいなあと思うし、恋雨の店長とパトレイバー後藤隊長がなんか似てるところからいうと、最終巻で、事務所の廊下で隊長がたばこに火をつけて考え込んでいて、そのまま結局一服もせず、長くなりすぎた灰が落ちるシーンもまたあの中での印象的なシーンである。

 たばこといえば筑紫哲也さんがよくたばこを吸ってたらしいけど、彼のいうことは逐一気障で気に触るし、大体ああいった左翼っぽい人は好かないのだけど、その発言の中のたばこに関するところだけはああいう立場の人がああいう見識を披露するのはまた時代にそぐわないながらも味のあるものだなあと思ったりした。

百害あって一利なしと言うけど、文化は悪徳が高い分、深い。たばこの喫煙は人類が発明した偉大な文化で、たばこの代わりはありませんよ。これを知らずに人生を終わる人を思うと、何とものっぺらぼうで、気の毒な気がしますね

http://muumoo.jp/log/Tobacco.html

 

 そうして、たばこをやめてしばらく経つけど、たまに一本だけもらったりしてたばこを吸うけど、気持ち悪くなってもう二度と吸いたくないと思って、たばこのおいしさがわからなくなって寂しい気分にもなる。こういう時代にたばこを吸いたいなんていい流儀ではないけれど、たばこを吸う姿というのもまた風情のあるものであるとも思う。