脳が壊れたを読んだ

 父方の祖父は脳溢血で亡くなって、母方の祖父は多分くも膜下出血で若いときに亡くなって、伯父も脳出血で亡くなって、上の伯父も脳梗塞で若いときに倒れた。だから自分も人生の多分どこかでそんなような脳に障害が出るような症状が出るのだと思ってる。

 

 鈴木大介の「脳が壊れた」を読んだ。

 この人の原作の漫画が好きで、よく読んでいたけど、ある時期休んでたのはこれが原因だったのか。脳梗塞になるとこういう風になるというのがよくわかる。脳梗塞の後遺症で障害が出て、その後の人生が変わるわけだけれど、そこでそれまでの人生の死と、その後の人生の再生が書かれていて、障害を受け入れるというのはそういうことかと思う。

 障害のある人生というのが元々なかった人からはこう見えるというのはみにつまされる話でもあるし、自分がそういう立場になるときもある。人間誰しも何かしらの発達に関する障害があるものだと思う。

 途中から話は夫婦の話になる。ように見える。

 人間誰かに頼らないと生きていけないもので、ありふれたことだけれどこれを理解するのに私は26年かかった。では頼れる人がいない人はどうなるのかというと、よく分からない。妻がいなかったら、多分今生きていない。あるいは生きているかもしれないけれど、きちんとした人間としては生きていないのではないかと思う。

 

 最後の筆者の奥さんの話というのがとても参考になる話で、脳梗塞になると他人からはこう見えるという話は、実はあまり聞かない。母は祖父が倒れたときに大きなため息をついて昼寝してしまったと言っていたけれど、それも母が子供のときの話である。

 臨むらくは自分が倒れたときに妻がうろたえないように読んでおいてもらおうと思う。

 

脳が壊れた (新潮新書)

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